ヴァーチャル・リアリティ

「出れば出るほど多くなっていくものなぁんだ?って、なんだこれ」


悠太郎がため息交じりに行った。


悠太郎はなぞなぞの類は確か苦手だったはずだ。


「結構難しいね」


梨花子も悩んでいるようだ。


なぞなぞの内容はそれぞれ違うようだし、自分で答えを探すしかない。


あたしは部屋の中を見回した。


まずは巨大なワンピースに似ているものを探してみたけれど、なにもない。


本棚へ向かい、どんな本が並んでいるのか確認する。


そこにあったのはほとんどミステリー小説で、時に《小説の書き方》と書かれた本も並んでいる。


あたしは机の上の原稿用紙に視線を戻した。


どうやらこの部屋の持ち主はミステリー作家のようだ。