「ちょっと! ゲームを止めて!!」


あたしは天井へ向けてそう叫んだ。


しかし返事はない。


「誰か見てるんだろ!?」


陽大が叫ぶ。


しかし、広がるのは静寂ばかりだ。


呼吸ばかりが荒くなり、背中に冷たい汗が流れて行く。


もう1度ゴーグルに手をかける勇気はなかった。


『刻印、完了です』


その声が聞こえて来たのは、たっぷり1分ほど時間が開いてからのことだった。