ヴァーチャル・リアリティ

けれど、これだけじゃどの数字の鍵をさせばいいのかわからない。


「あ……壁にかけてある鍵とか、どうかな!?」


梨花子の興奮した声が聞こえてきてあたしはハッと顔を上げた。


四面にズラリとかけられている鍵。


「壁ってどこの?」


梨花子にそう聞く陽大の声。


「ベッドが置いてある方」


梨花子の声の通りにベッドへと近づいていく。


アニメキャラクターのイラストが描かれているベッドカバーが、この空間ではやけに目立って見える。


あたしは壁近づき、順番に鍵を確かめて行った。


「他にヒントはない? 壁にかけてある鍵が多すぎてわからない」


「数字だよ。あたしたちが幼稚園に入園した頃の」


そう言われて前の部屋での答えを思い出す。