ヴァーチャル・リアリティ

このままソファに座って番組を見たいと言う気持ちを押し込めて、あたしはリモコンの《0》を押した。


そこにはブルーの背景に白い文字で《生まれた西暦》とだけ書かれている。


それだけで暗証番号はすぐに理解できた。


あたしたちが生まれたのは2000年だ。


密室を開けるために必要な数字は2000で間違いない。


「番号の順番がわかったよ」


あたしがそう言うと、他のメンバーたちも番号がわかったようで、ドアへと向かった。


パネルに数字を打ち込んで行く。


最後の《0》を入力すると、カチャッと音がして鍵が開いた。


「結構簡単だったね」


そう言ったのは梨花子だった。


「最初の内だけだろ。きっとだんだん難しくなっていくんだ」


陽大が余裕の声でそう言った。