ヴァーチャル・リアリティ

あたしは少しずつ少しずつテレビを斜めにしていく。


一気に動かそうとしなければ、どうにかなるようだ。


「2人とも大丈夫だよ。少しずつずらして行けば動くから!」


そう声をかけると、2人とも再び作業へ戻ったようだ。


テレビを斜めにし終えた頃には少し息が切れていた。


ふぅと息を吐きだしてテレビ裏を確認する。


そこには同じメモ用紙が貼りつけられていた。


テレビ裏の配線の細かさに再び感動を覚えながら、メモ用紙を確認した。


今度は《2》だ。


ようやく違う数字が来たことで、少し安堵する。


「数字は全部で4つだな」


晴道の声が聞こえて来た。


と、いうことはこれで全部そろったと言う事だ。