ヴァーチャル・リアリティ

「ありがとう。みんなのおかげで俺は自由になる」


「でも安心してね。あたしたちはずっと晴道と一緒にいるから」


それって、どういうこと……?


最後に浮かんだ疑問。


視界の中で4人が後ろを向き、部屋を出て行くのが見えた。


少しだけ見えた外の世界に懸命に手を伸ばす。


しかし、そこへ向かうこともできなかった。


建物のドアが閉まる寸前、男がこちらを振り向いた。


「さようなら、ありがとう」


声には出さなかったけれど、そう言っているのが理解できたのだった……。