ヴァーチャル・リアリティ

あたしは壁を足で思いっきり蹴とばした。


「誰か見てるんでしょ!? 見ているのは誰!? はるみち!?」


大声を張り上げる。


百花がどうにか体を起こして、あたしの横へ移動してきた。


壁をなぞり、そこにドアがない事を確認して目に涙を浮かべた。


こんなのひどい。


閉じ込めて、本当に人を殺させるなんて!


「出て来なさいよ!!」


悲鳴に近い声でそう言った。


百花はあたしの隣に崩れ落ちて泣き続けている。


「これが……帰れない理由なのかな」


「何言ってるの?」


百花の言葉にあたしは驚いてそう聞き返した。