ヴァーチャル・リアリティ

隣の部屋に移動しようとドアに手をかけてみても、そこから先は移動できないようになっているようだ。


「外に出ることもできないのなら、一体何をしろっていうの……?」


嫌な汗が頬に流れて行く。


ゲーム内容がわからないままじゃ、進行させることもできない。


唖然として棒立ちになった時、カチッと小さな音がしてゴーグルが緩んだのだ。


「え……?」


ゲームが終らなければゴーグルは外れないんじゃ……?


そう思ったが、あたしはすぐにゴーグルを外していた。


目の前に広がっているのは、さっき入って来た部屋だった。


ただ、変わっていることがいくつかあった。


「嘘……」


床に転がる、3人の男女。