床へと崩れ落ち、自分の頭を抱えて叫び始める。


「大丈夫、大丈夫だよ百花! 頑張ったね!」


あたしは懸命に声をかけながら、百花の体を抱きしめた。


汗と返り血でぬるりとした感触がある。


VRにしてはやけにリアルだ。


「とにかく、この部屋でのゲームがなんなのか探さなきゃ」


それでも、百花は座り込んだまま小さな悲鳴を繰り返している。


「百花はここにいて」


あたしはそう声をかけて立ち上がった。


さっきの映像でも見た、《はるみち》という人物がなにか関係しているに違いない。


よろよろと立ち上がり、キッチンの中を見回す。


前回のようにゲーム内容が書かれていないか探してみても、やはりそれらしいものは見当たらなかった。