ヴァーチャル・リアリティ

こちらには缶詰1つ投げてよこしただけだったのに、2人は両手に買い物袋を提げている。

あたしは躊躇することなく2人に近づいていく。


「あたしは男の方をやるから、百花は女の方をお願い」


「う、うん」


戸惑いながらもそう答える百花。


幸いな事に2人の両手は塞がっている状態だ。


後ろから攻撃すればきっと命中するだろう。


あたしは足音を殺して2人へと近づいていく。


見えないが、百花もきっと同じだろう。


あたしは男性の真後ろへと移動して来ていた。