自分はもう大丈夫。


死んでいたかもしれない幼少期を抜け出して大人になれる……。


「今見てもらったのは、俺が生きて来た道だ」


学校風景の中に、晴道の姿が浮かび上がっていた。


「やっぱり、そうだったんだ……」


あたしはそう呟いた。


映像の中に晴道の姿だけ出てこなかったから、途中からわかっていたことだった。


それでも、あたしはそれ以上言葉を繋ぐことはできなかった。


どこからか聞こえてくるすすり泣きの声はアユのものだった。


悠太郎もなにも言えずにいる。


「みんなといる時が一番楽しかった」


晴道の声は明るかった。