だけど、陽大のこの一言が何かを変えたことは事実だった。


中学へ入学してからはほとんど家に戻らず、友達の家にいる映像が多くなって来た。


映像の中にはあたしの姿もあり、それを客観的に見ているのはどこか妙な気分だった。


時々家に戻っても、お婆さんとの会話はなかった。


暴力や暴言はなくなっていたが、まるで赤の他人のように冷たい空気が流れている。


それに対して悲しいという感情もなかった。


自分に干渉しないでいてくれるだけ、感謝すらしていた。


このままずっと楽しい時間が続けばいい。


友達と一緒に学校へ行って、遊んで、止まらせてもらって。


高校に入ったらバイトだってできる。


そうなったらもう家に帰る必要なんてない。


将来へ向けて、明るい希望が差し込んでいた。