向かった先はキッチンだった。


「嫌だ!!」


あたしは叫ぶ。


その叫びは空気に溶けて空しく消えて行く。


雪で焼けた足の裏でどうにか踏ん張り、女性から逃れようと試みる。


しかし、あたしにそんな力はなかった。


さっきの映像の時感じた、胃がキシムような空腹感は未だに続いている。


視界に映る自分の手足は棒きれのように細い。


掴まれれば折れてしまいそうだ。


ずるずると引きずられた先にはコンロがあった。


全身がそちらへ向かう事を拒否している。


「おしおきだよ!」


女性が叫び、コンロに火をつけた。