「あのゲーム、昨日のことみたいに思い出すな」


陽大の言葉にあたしの足が止まった。


「あのゲーム?」


立ちどまったまま、あたしは陽大にそう聞いた。


「そうだよ。VRゲーム」


「え……?」


あたしが首を傾げると同時に、陽大が振り向いた。


その顔は真っ赤な血に染まり、片目がドロリと崩れ落ちている。


「ひっ!」


小さく悲鳴を上げて陽大の手を振りほどこうとする。


しかし、陽大はあたしの手を握りしめて離さない。


「思い出せよ結愛。俺、お前に殺されたんだぜ?」