後ろからついていくあたしの目に、相手の姿がうつった。


あ……。


麻央だ。


ハッと息を飲んでその姿を見つめた。


床に座り込み、冷蔵庫の食材を素手で掴んでそのまま口に運んでいる。


その姿が投げ出されたライトによって照らし出されているのだ。


その時だった。


足元に転がっていた何かを蹴とばしてしまった。


カランッ!


と大きな音が響き渡り、息が止まる。


涼希が包丁を両手でキツク握りしめた。


その瞬間、麻央が振り向いた。