あたしは涼希の分厚い胸板にドキドキしてしまう。


「どれだけ仕事が忙しくても、週に一回は必ず時間を作るから」


「うん。あたしも、学校が忙しくても涼希との時間は大切にする」


そう言いながらも、自分の言葉に照れてしまう。


少しいい雰囲気になってお互いの唇が近づいて行った時、スマホが震えた。


「誰だよ、もう」


涼希は軽く舌打ちをしてあたしから身を離す。


あたしはホッと息を吐き出した。


キスできなかったことは残念だけど、あまり近い距離にいられたらドキドキして心臓がもたない。


涼希の彼女になって1年経つけれど、未だに馴れなかった。


「トオルからラインだ」