「正直、大丈夫じゃないよ」


あたしはそう答えて、少しだけ笑った。


こんな状況、大丈夫なハズがない。


本当ならあたしと涼希は今頃ケーキを食べ終わって、プレゼント交換でもしているところだっただろう。


それが、こんな得体の知れないことに巻き込まれてしまっているのだ。


「若菜は、仲間の誰かがトオルを殺したと思ってるか?」


「そんなワケないじゃん!」


思わず、大きな声が出ていた。


みんな大切な仲間だ。


高校の3年間をほとんど一緒に過ごして来て、信用もしている。


「俺もそう思ってる。だからきっと大丈夫だ」