処刑バッヂ

「そうだよね……」


「でも、待って? なにか思い出せそうなんだけど……」


梨央がそう言い、眉間にシワを寄せて考え込んだ。


「梨央と涼希は塾で同じクラスだったんだね」


梨央が考え込んでいる間、あたしは涼希へ向けてそう言った。


「あぁ。席も隣だった」


その答えに一瞬胸に引っかかるものを感じた。


別に、2人の関係を疑っているワケじゃない。


でもあたしの知らない時間を2人が共有しているという点に、胸の奥がモヤモヤしている。


「ダメだ。なにも思い出せない」


梨央はそう言い、諦めたようにため息を吐き出した。