「下向くなっつったろ!

前向け前!ゴールだけ目指せ!」


川の反対側にーーたった一人、暁がいる。


どうして暁が...!?


幻覚でも見ているのかと思った。


暁がいてくれたら...そう、思ったから。


だけどたしかに、今そこにいるのはーー正真正銘、暁だ。


驚きながらも、目が覚めたようにーーごちゃごちゃしていた頭の中が、すっきりとしはじめたのが自分でもわかった。


「ッ」


やりきるしかないでしょ...!!


わたしは最後の力を振り絞って、ゴールまで一直線に走り抜けた。


暁の声が、言葉が、頭のなかで何度もこだましていた。