「俺、久隆の代わりなんて嫌なんだ。

だから、久隆に勝負を申し込んで、監督にも了承を得た。

だから、今週の日曜、見に来てほしい」


瞳が本気だ。


ひしひしと伝わってきた。


「...それで、もし俺が勝ったらーー

俺とのこと、前向きに考えてほしいんだ。

...今日は、これが一番言いたかった」


そう告げた夕くんは、

表情にも言葉にも迷いがなかった。


だからわたしも...迷いなく受け止める。


「うん。わかった」


ゆっくりと深くうなずくと、

彼は「ありがとう」とホッとしたように笑った。


この笑顔を二度と壊したくないと思った。