「和音のこと、本当に好きなのか、そうじゃないのか」
「はぁ!?」
まだ言ってるよ、この子は…
「だから本気なわけないって「志築くーんっ」
私の言葉を無視して、茉莉華が志築くんの顔を覗き込む。
わ、なんか嫌な予感…
「和音が、二人で話したいんだって」
ちょっ、そんなの一言も言ってない!!!
「だから私帰るねー」
「え、まっ…茉莉華!」
すごくいい笑顔で私たちに手を振り、茉莉華は帰ってしまった。
なんで…
この男と二人にしないでよ…
「おい」
呼ばれて、ビクッと肩が揺れる
「なんだよ、話って」
あー、もう
こうなったら…女、坂下和音
堂々と聞いてみせますともっ!
無駄な気合いを自分に注入して、大きく息を吸った。
「この前の、ことなんだけどっ!」

