「なんか、がんばらなきゃなー」
んーと伸びをして、くるめくんが言う
「何を?」
「僕も、今日好きな人に告白しようと思って」
真っ直ぐに見つめられて、ドキッとした。
告白って…誰に…?
「花火開始まで1分前でーす」
生徒会の人の声がして、この間茉莉華が言ってたことを思い出す
『花火が打ち上げられる瞬間に、キスした二人は…』
もうすぐ、その花火が打ち上げられる…
「30秒前ー!」
「坂下さん」
もしかして…
「僕さ…」
くるめくんの好きな人って…
「10秒前!9、8、7…」
くるめくんの手が、私の肩に触れる。
私はゆっくりと目を綴じた。
「3」
「2」
「1」
………………
―ドーン パパッ パッ…
花火の音がする。
みんなの歓声が聞こえる。
唇が離れていくのを感じながら、そっと目を開けた。
そこに見えたものは…
「なっ!!?」
予想もしていなかった、顔

