静かなキスだった。

しっとりと包み込むような彼の唇が重なり、そのまま私達は砂の上に崩れ身体も重なる。

アレックスが崩れるようなキスならば
リアムは溶けるようなキスだろう。

慎重にそっと優しく
甘く甘く
どこまでも甘いキス。

男らしく強い騎士団長には似合わないような
優しく甘いキス。

顔を上げて見つめ合う。
無造作にひとつにまとめた彼の髪が夕陽を浴びてキラキラ輝く。

そっと手を伸ばし頬に触ると
彼の長い指も私の頬を触る

互いを確認し合い
求め合う。

キスを繰り返しながら
彼の指がドレスの小さなボタンを外し
コルセットの間にある胸の谷間に顔を埋めて、ドレスの下から手が入った瞬間


「リーアームーさーまーーー!!!」

遠くからジャックの声が聴こえ



そこでお互い


やっと目を醒ます。


酔った弾みじゃないけれど

勢いでこんな感じになって
我に返った時が

一番

ヤバいのです。