それから
約二週間が過ぎ


朝目覚めたら
元の世界に戻って……いない。
いつも微かな希望を持って目を覚ますけれど

まだ私はこの世界に残っていた。

朝起きたら滝のシャワーを浴び
美味しい朝食をアレックスと食べてから
フレンドのお世話をする。

フレンドとは仲良くなった。
臆病な夢見る乙女キャラなドラゴンだけど、まだ子供で甘える様子が可愛かった。
たまにアレックスやシルフィンやジャックが遊びに来て、一緒にそこでランチを取って楽しく過ごす。

街にも何度か遊びに行き
夜の居酒屋さんにも連れて行ってもらった。
居酒屋さんのワインもかなり美味しい。

食べ物も美味しいけれど
元の世界の方が種類もいっぱいあって
元の世界が恋しくなる。

ラーメン食べたい。
コーヒー飲みたい。
白米が食べたい。

シルフィンにお願いしてみるけれど、魔法使いは自分が食べたことのある物しか出せないらしく、私の説明が悪かったのか一度カレーを出すのに挑戦したけれど、出来上がりがセメントみたいなカレールーで、米は一粒が親指くらいの大きさで歯触りがコンニャクだった。

説明って難しい。

そういえば
アレックスにお風呂を出してもらおうと説明したら、たき火の上に大きな土鍋が現れて、グツグツと沸騰する湯を見ていたら完璧に地獄図だった。

滝のシャワーでガマンしよう。