エレベーターもチェックした。
何度も乗った
迷惑だけど15階で乗って14階で降りた。
コスプレドレスの王妃様を探したけれど当然姿は見せず、法律事務所の先生に鋭い眼でにらまれて終わってしまった。
リアムに会いたい。
リアムが恋しい。
アレックスにもシルフィンにも
ジャックにもフレンドにも会いたい。
あぁフレンド
私が急にいなくなって絶対また泣いている。
街のみんなにも会いたい
騎士団のみんなにも会いたい。
リアムに会いたい
強い力で抱きしめてもらいたい。
まだプロポーズの半分もらってないよ。
長い髪に触れたい
はにかんだ笑顔が見たい。
心から愛した人だった。
私は一生懸命もがいてもがいて
見えない蜘蛛の巣に引っ掛かったように
精一杯もがいて
向こうの世界に戻ろうとするのだけれど
何をやっても
できなかった。
変な黒魔術のサイトも覗いたし
書店でファンタジー小説も読みまくった。
異世界に飛ばされたヒロインは現代に戻るか、向こうの国でそのまま幸せに生活するかのパターンを読んだ。
どうしてそのまま私も幸せに暮らせなかったのだろう。
読んだヒロイン達は自分の現代でのスキルをあちらの世界で役立てて、商売にしたり尊敬されてたりしていた……やっぱり私はポンコツだから返されたのか?



