「この駄狼ぃぃぃぃ!!」

だおおかみって、初めて聞く罵り方だな。

猟師は光の早さで俺の側へやって来ると、前回の赤ずきん同様胸ぐらを掴んでゆさゆさ揺する。いや、ゆさゆさじゃねぇワ、ぐらぐらだワ。

やべーよ、お昼に食べたナポリタンぶちまけそうだよ。食堂のおばちゃんに、残したら腹に石詰めるって脅されて食ったのに。

「俺と赤ずきんのイチャラブどこいったんだ?ああん?!」

「知るかぁぁぁぁぁぁ!作者に聞けよ!」

ほんと、ほんとさ。俺の平穏な狼生活返してくんない?!

「狼さん大変そうね」

「呑気にコーヒーすすってねぇで助けろよ!後コーヒーネタは別作品の主人公のだから止めろ!」

「しょうがないわね。私を食べてくれたら助けるわ」

究極の選択とはこれのことだろうか?

「赤ずきんをお前に食わせてたまるか!」

まぁ、恋人を見殺しにするほど腐ってないだろ。そう言うところはまともで良かった。

「俺が赤ずきんを食べるんだよ!」

「え、嫌よ。だってガニパっちゃうもの」

俺に食べられようとする時は、若干目を輝かしてるくせに、こいつが食べると言った瞬間、腐った生物を見るような目で猟師を見ている。

「いや、せい―」

「言わせねぇーよ!!」

アウト単語を口にしようとした猟師に、俺はさっき赤ずきんが持っていた毒リンゴを投げつけた。

「ぐはっ!!」

「さて、猟師が大人しくなったところで・・・・私を食べて!」

「帰れ!」

にっこりと笑って親指を立て、それを容赦なく下に向けた。

「食べてよー!食べてくれないと狼さんのこと、微生物で例えるわよ!」

「何でたよ!」

「は!まさか狼さん。ロリコンなの?ロリコンだから、ぴちぴちで若いけど色気満載の大人の女の私じゃ駄目なの?」

全国の大人の女性にどけ座しろバカ野郎。

「赤ずきん、取り敢えず帰ろうか。俺達の愛の巣に」

あ、生き返った。

「チッ。致命傷与えるだけじゃ駄目だわ!狼さん、致命傷で安心してんじゃないわよ!いい、猟師はゴキブリ並の生命力なの!確実に首を落とさなきゃ!!」

「ねぇ、お前自分の恋人実は嫌いなの??」

殺そうとしてんだけど。

「赤ずきん、ちょっとやそっとじゃ俺は倒れない、忍耐強く素晴らしい恋人だなんて、褒めすぎじゃないか?」

何照れたように頬染めてんだよこいつ!!どこも褒められてねーよ!頭大丈夫か?!

「いやさ、お前さりげなく死ねって言われてんぞ?」

「黙れ狼!俺が赤ずきんに愛されてるのが羨ましいからって、引き剥がそうなど片腹痛い!」

こいつ、前作ではもうちょっとマシな思考してるっぽかったのに、今回キャラブレすぎだな。

読者様の中に、頭のお医者さんはいらっしゃいませんか?

「猟師?」

「なんだい?マイハニー」

うわ、気持ち悪い。

「お黙り!」

にっこり笑って親指を立て、それを下に向けた。まじでこいつらやべぇわ。