「…別に怒ってねぇよ」

君その態度で怒ってないとかありえないから

いやぁ、さすがのあたしでもキレるよ?

「ねぇ、じゃああたしが悪いの?」

だから男って面倒くさいんだ

どうせまた、別にって

やっと好きになれそうって…
神崎くんだけは好きになれそうって…

…思ってたのに。

「服」
「え?」

聞き取れないほどの声で何かを言った。

顔は俯いてて見えないけど、耳が真っ赤だ

「今日の服。なんなのそれ…反則でしょ」
「…へ?」

…な、なにを…。

「夏休み入って全然会えなくて今日来るの楽しみにしてたのに、」

…そんなこと思ってたの?

「久しぶりに会ったと思ったら、そんな露出多い服着てきたら誰でも怒んだろーが!」

…なんだこいつ、可愛いな。

「プッ…」
「…可愛すぎんだよ、」

それはあなたですよ

「夏なのに涼しくない格好とか無理だから」
「え?あぁ、まぁ…」

なんたらかんたらとブツブツ言いながら、コーヒーを飲み始める神崎くん

付き合ってから色んな神崎くん見てきたけど…こんな神崎くんは初めて。

相変わらず、何で付き合ったのか分からないんだけど…

でも、神崎くんは変わらずあたしを好きでいてくれるみたい。

それは嬉しい

「ってことで、ゲーセン行くぞ」
「神崎くんがゲームしたいだけでしょ」

どんな方向転換なんだと思いながら、あたしも笑顔になった。