なんてことをっ!!

こんなとこほかの人に見られたらっ!

「大槻は俺のなの」
「彼氏がいるくらいわかってる!」

声がものすごい低い。

怒ってる それだけはわかった

でも、あたしを抱き締めるのは優しい

そんなとこに神崎くんの優しさが見える

「分かってんなら帰ってくんない?
俺、こいつ送らないといけないから」
「でも今その人は、怪我してるんだ!」

あ、それ言っちゃう?

神崎くんには黙っておきたかったなぁ…

「は?」

しばらくの沈黙の間、神崎くんのとてつもなく低い声が響いた。

「なんでこいつ、大槻怪我してるの知ってんの?
てかなんで怪我したの?」

え、あたし答えるの…?

「えぇっと、靴ズレして…そこ見られて…」
「…そうだ!だから、俺が送ってあげようとっ!」

断ったけどね

「それ、お前おっけーしたの?」
「してない」

なんかそろそろあの人可哀想になってきた