「見て。五十嵐さん、今笑ったよ。」 「かっこよかった・・・。」 「それもそうだけど! あの子、小憎らしい。」 「そうだね。」 そんな話し声が聞こえてしまった。 聞こえてしまったというよりは、わざと聞こえるように言っているようだったけれど。 キュンなんてそんなことしてる場合じゃない! これはあれじゃない? 少女マンガや恋愛ものの小説でよくみるあれだよ、きっと。 あれって現実では起こり得ないことなんじゃないの? だって創作の世界だよ? うん。きっと大丈夫だ。