2人でお手頃な価格のイタリアンのお店に入り、注文を済ませる。



「大斗さん。」



「ん?どうしたの?」



優しい眼差しに心は痛むけど、中途半端にしてしまっている自分も好きじゃなくて、心を決める。



「突然こんな事言うのもあれなんだけど……、今更な感じもするし……。」



「うん。」



「……あたし好きな人がいて、大斗さんの気持ちには応えられないと思う。」



「そういうことか。」



「えっ、何が?」



「今日いつもと様子が違ったから、どうしたのかなって思ってて。
理由がわかって納得した。
体調が悪いとかじゃなくて安心した。」



「……大斗さんは優しいね。」



「梨々さんのことが好きだから、そりゃあね。」



「ありがとう。」



その後雰囲気が気まずくなることもなく、それ以上その話題について話すことはなかった。

けどお互いにスッキリした顔をしていたと思う。