「はい。
でも先輩、新海さんの話をするときだけすごく優しい顔になって、すごく幸せそうに、切なそうに話すんです。」



「え。自分では全然気づいてなかった。
僕、そんな感じで話してんの?」



「ふふ。はい。
そんな先輩を素敵だなーって思ったんです、あたし。

だから、振られるのもわかってました。」



「そっか。」



「新海さんのこと、これからも大切にしてあげてください。」



「言われなくてもそうするつもりだけど。」



「ですよね。」



「・・・ありがとう、高木さん。
なんか元気出てきた。」



「いえ。あたしはなにも。
でも元気になったならよかったです。」



「今日話したことは、誰にも話さないでほしいんだけど。」



「はい。もちろんそのつもりです。」



「ならよかった。」