「 は…? 」
朝に目覚まし時計をセットした筈なのに 、鳴らない 。もしかして寝過ごしてしまったのだろうか、それともセットしていなかったのだろうか。
むっくり、と上半身を起こせばあたりを見回す。
あれ、どこだろう 此処…
そうだ。思い出した。
確か 夢でだれかが
「 …あら 。起きたかしら? 」
声のする方を向くと、そこにはグラスを拭いている酒場のお姉さんのような人が立っていた 。彼女は微笑みながらこちらを見つめている。
だれだ、この人…
あらためてあたりを見回すと、寝ているのはソファーの上で、朝だというのに沢山の方がお酒を飲んでいる。
とても騒がしい場所だ。
戸惑っていると、お姉さんは「 ユイトー!」と誰かを呼んだ。
ユイト、と呼ばれる男の子は 笑顔で駆け寄り、起きたか!と私を見つめていた 。