副社長が姉を諦めざる得なかった訳だ。
「そのキャンセルが蘭子さんを誤解させたんだ」
「そういうこと」
社長は副社長に苦笑を浮かべながら、「でも、それだけじゃなかったんだけどね」と溜息を吐く。
「どういう意味?」
「誤解が誤解を生んだと言おうか……シークレットでお祝いしようとしていただろう?」
社長がさらに深い溜息を吐く。
「蘭子さんって思い込みが激しいじゃない?」
副社長が大きく頷き同意する。
「私の浮気相手を、こともあろうに新堂の奥方だと思っちゃったんだよ」
「はい?」と副社長に合わせて私も声が出る。母との浮気?
「うん、驚くのも当然だ」
社長が苦笑する。
「敵対会社の奥方だ。普通ならまず有り得ないと思うだろう?」
「でも、蘭子さんは普通じゃない」
副社長の言葉に社長が頷く。
「ああ、思い込んじゃったんだよ。私と新堂の奥方がロミオとジュリエットだと」
「はぁ?」と副社長は一瞬目を丸くしたが、次の瞬間、「ぶははは」と笑い出した。
「ロミジュリって……嘘だろう?」
「お前の反応が正常だと思う」
「で、未だに蘭子さんはそれを信じてるの?」
笑い過ぎて目に涙を浮かべたまま副社長が訊く。
「ああ」
「でも、どうしてそんなことになっちゃったんだよ」
副社長の疑問は道理だ。私も知りたい。
「そのキャンセルが蘭子さんを誤解させたんだ」
「そういうこと」
社長は副社長に苦笑を浮かべながら、「でも、それだけじゃなかったんだけどね」と溜息を吐く。
「どういう意味?」
「誤解が誤解を生んだと言おうか……シークレットでお祝いしようとしていただろう?」
社長がさらに深い溜息を吐く。
「蘭子さんって思い込みが激しいじゃない?」
副社長が大きく頷き同意する。
「私の浮気相手を、こともあろうに新堂の奥方だと思っちゃったんだよ」
「はい?」と副社長に合わせて私も声が出る。母との浮気?
「うん、驚くのも当然だ」
社長が苦笑する。
「敵対会社の奥方だ。普通ならまず有り得ないと思うだろう?」
「でも、蘭子さんは普通じゃない」
副社長の言葉に社長が頷く。
「ああ、思い込んじゃったんだよ。私と新堂の奥方がロミオとジュリエットだと」
「はぁ?」と副社長は一瞬目を丸くしたが、次の瞬間、「ぶははは」と笑い出した。
「ロミジュリって……嘘だろう?」
「お前の反応が正常だと思う」
「で、未だに蘭子さんはそれを信じてるの?」
笑い過ぎて目に涙を浮かべたまま副社長が訊く。
「ああ」
「でも、どうしてそんなことになっちゃったんだよ」
副社長の疑問は道理だ。私も知りたい。



