俺は、その手紙を恐る恐る手に取った。

見るからに、手紙はとてもよれよれで少し色が変色していた。

そしてそこには、俺の名前雷(らい)へっと書いてあった。

俺は、手紙を開け文字をなぞるように読み始めた。



雷へ

この手紙を読んでる頃には、もう私に会えてるかな?

私は、病気で死ぬ前に手紙を書き夜病院を飛び出し思い出のあの桜の木に手紙を埋めました。

あの桜の木には伝説があるよね?

それは、『手紙にお願いごとを書くと願いが叶う伝説。』

私は、書いた日付と、この手紙をあげたい人の名前を書いて送ったんだ。

……君は、これからしなくちゃいけないことがあるの。よく聞いて。





俺は、その続きを読んだ後手紙を握りしめ家を飛び出した。

ずっと、忘れてたんだ……。

いたはずの君の事を…。

だから、迎えに行くよ。