先生はどこいったの?
 生徒をほったらかしなんて、どうかしてる。確かに病人ではないけど。



「あ。先生捜しても無駄だよ。俺、先生に頼まれて迎えに来たから」

「……最悪」



 つい、言ってしまった。



「やっぱりいるんじゃん」



 遠慮なくカーテンを開けてくる拓海。
 本当にデリカシーがない。だから嫌いなんだってば。



「泣き虫」

「うっさいな。ほっといてよ」



 何も聞きたくなくて布団をかぶれば、あたたかさを感じる前に拓海の手に奪われた。



「何か知らないけどさ。休めばよかったのに」

「生徒会に所属する身で、ズル休みとか出来ないよ」

「ズル休みではないっしょ」

「拓海がそう言いふらしそうだから嫌なの。もう勘弁してよね、トラブルメーカー! あんたのトラブルをおさめるのに、私がどれだけ……」

「わかったから。話、ズレてないか?」



 そう言って頭をぽんぽんと優しく撫でるように触れてくる。バカにされてるみたいで、昔は嫌いだった。