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 それが告白だと気づいた私は、自然とその成り行きを見守っていた。


 彼と可愛らしい後輩はいつも下校が一緒で、私なんて入り込む余地がなかった。


 大人しそうな後輩だと思っていたけれど、雨音に負けないくらいの声で告白するのを見たら……彼が惹かれる理由もわかる。


 後輩に負けてしまった。
 私も彼が好きなのに――――。


 私の片想いがこんな形で終わるとは思わなかった。


 手を繋いで帰る二人を祝福する雨。だけど私の方は失恋して涙を隠すための雨。
 同じ雨なのに、どうしてこんなに違うのだろう。


 気に入らない。嫌いだ。あんな女なんか……そうやって傷つけられたら良かったのに。


 私はとことんお人好しで、大好きな彼を、彼女を祝福していた。