万が一それでもめげない女子が来たら、そこは園田さんがキッパリと言った。
「もちろん、私が強制退場させます!」
キリッとメガネを持ち上げて言った姿はキッパリハッキリしていて、とてもカッコよかった。
さすがは、園田さんだ。
「さて、そろそろ準備も済んだかな?」
教室内を見回して呟けば、隣に戻ってきた春子もうなずきつつ言った。
「とりあえず、始まるまではこれにて準備完了ってとこよ」
こうして、開始三十分前には教室の準備が完了し給仕係のみんなは作った服に着替えに言った。
裏方の私や春子は、備品の最終チェックやらを行い給仕係の子達が着替えてきたのを横目に見つつドキドキとしてきた胸を押さえた。
だって、カウンターに入る男子の中に谷村くんの姿があって、しかも珍しく前髪を上げて後ろに流してる。
大人っぽい髪型とバーテンダーの格好が合っていていつも以上に、イケメン具合に拍車がかかっていた。
これが衣装と髪型のマジックか!と思いつつドキドキが止まらない。
しかも、、それに谷村くんには犬ではなく黒猫耳と尻尾が着いていた。
普段なら絶対犬だと思うのに、この妖艶さを出されては猫で納得してしまう。
谷村くんの新たな一面にドキッとしたものだった。
それくらい、違和感なく似合っていた。



