なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!


そうして、迎えた夏休みは八月。
教習所では私は何とか仮免を取り、現在講義と実地教習中である。

今日は初めて路上に出る。
ドキドキしながら待っていると、谷村くんが隣にきた。

「初の路上はやっぱ緊張するね」

少しはにかんだ笑顔で言う谷村くんに、私は目線を合わせて答えた。

「そうだね。教習所と路上は違うもんね。私もドキドキしてて心配」

しっかり顔を合わせて話す私に、少し目を見開いたあと谷村くんはニコッと笑って言った。

「お互い頑張って、夏休み中に免許取っちゃおうね」

「うん、それが目標だったしね。頑張ろう」

ここにきて私の態度が変わったことに気づかないわけがなく、谷村くんは内心はどうか分からないものの初の路上教習が終わって戻ってくると声をかけてきた。

「お疲れ様。今日このあと時間ある?」

その表情は、すこし固めで伺う様子だった。

「大丈夫だよ」

私からの色良い返事にとっても嬉しそうに顔を綻ばせる谷村くんに、私はちょっとドキッとした。

「じゃあ。昼時だし、どっかで一緒にお昼食べない?」

その谷村くんの誘いにうなずいて、私達はご飯を食べに行くことにした。

うん、頑張れ私!
イケメンに負けるな!

なにか思考回路はおかしくなりつつも、私は二人に向き合うと決めたので行動を開始したのだった。