翌日から私は憂鬱になりながら、教習所に向かっていた。
なにせ、今日から同じ教習所に谷村くんがいるんだもの。
すでに朝から精神的に疲れている……。
せっかく通い始めたというのに。
夏休み中に取得するべく頑張ろうと意気込んでいた私の意気込みは、一気に気分を崩された感じだ。
こんなことなら、家族は反対してたけど近県の合宿教習所にすればよかったよ。
そう内心でごちりつつ、今日もとにかく目標の免許取得に向けてやる気を出すしかなかった。
ついた教習所は昨日と同じく、朝一番の講習には人は少なめだった。
その事にホッとしつつ講義の教室に入ると、そこには一番出会いたくなかった谷村くんが友人っぽいもう一人の男子と話していた。
私は、回れ右したくなる足をなんとか堪えて席に着く。
もちろん教室の片隅に……。
しかし、そこは目ざとい谷村くん。
教室に入った私に気付くと、ニコッと人懐っこい笑顔を浮かべて声をかけてきた。
「おはよう、咲ちゃん!今日は一緒の講義だね」
その笑顔には、爽やかさが溢れている。
キラッキラの夏の日差しも良く似合う。
「そうね。よろしく……」
私の会いたくなかった感は顔と声に存分に出ていたと思う。
それでもめげない谷村くんのメンタルは鋼だと思う……。



