そうして、実は知らぬ間に今回のあれこれに関して今後のためにふたりと会長が安全策のために、綾小路先輩とのこの状況を作り出したと私が知るのは随分後になってからだった。

会長のフィアンセと仲のいい私に今後ちょっかい出すとそのふたりも黙っていませんよという、この学園のある種の階級の生徒達のは理解されたのだった。

ここはある意味世間のお嬢様お坊ちゃまの集う、学園なので色々あるのだが私のバックにはある意味最強な人々がついていることと、イケメンツートップもある意味その階層なのでこの事態を正しく理解していた。

「有難いけど、大変だね」

そう私と綾小路さんを見て呟く里田くんに、谷村くんも同意しつつ言った。

「咲ちゃんってば本人は自覚なしにこの学園で最強の守護者を付けたよね」

そんなふたりの会話に入ってきたのは会長の翔悟。

「そうだな。しかも聞けば山野さんが入学して少し経ってから知り合って、それから美希とはかなり仲が良いんだ」

ふたりが楽しそうに救護テントで話す姿を見ながら、翔悟は実に楽しげに言った。

「これで下手に邪魔するやつは邪魔するやつはいなくなったし、彼女も安全だろう。この先はそれぞれ頑張れよ」

実に男前な言葉を残して、会長は救護テントに向かって行った。
最後のひと押しをしに。