自身の好きな物のためなれば、とことん行動する。
そこが潔いほど清々しく行動に現れているのが綾小路先輩であった。
三月までの在学中もその行動力はよく見かけており、咲にとってはここにいてもなんら不自然ではなかった。
しかし、この先輩に今の状況が知られていると思うと少し厄介ではと危惧していたが、それは実に呆気なく霧散した。
「咲さん、里田くんと谷村くんにアプローチされているとか……」
ゴクッと喉を鳴らしつつ、次の言葉を待っていると咲は両手をぎゅっと握られてキラッキラの笑顔で言われた言われた言葉に一気に脱力した。
「なんて、楽しく美味しいシチュエーション!学園モノTLをリアルで行くとは!咲さんぜひ相談に乗りますから、詳細を色々聞かせてくだしましね!」
そうでした、このお方はそういう方でした……。
咲にとっては綾小路先輩は春子と似た感じなのだ。
自分の好きなことに一直線。
素直で裏表なし。
そして、里田くんに関しては完全に鑑賞対象であった。
なにせこのお嬢様、フィアンセは年下ながら我が校の御曹司で現生徒会長の有川君である。
しかもフィアンセであり政略でもあるらしいのだが、このふたり実は、在学時代から仲の良い恋人関係でこのファンクラブ活動すら認めていたし、実際に見るとめっちゃラブラブなのだった。
謎多きカップルだが、仲の良さは本物で学内公認カップルだった。



