「まぁ、そうだろうな」
自分たちの本意ではないにしろ、自分たちの行動が今回の好意を寄せる山野さんを標的にしてしまったことに気づいたふたりは、迅速に動いた。
昼休憩まえ、教師の説教も終わった頃。
後輩の集団に近づくふたり。
「はぁ、ほんとなんでこんなになるかな。ちょっと痛い目見てもらおうと思っただけなのに」
実に不満げなその態度と言葉に、ふたりの沸点は上がっていくばかり。
「もっと上手くやれば良かったね。だってあんな人があのふたりになんてずるいよね!」
そのふたりに聞かれているとは知らぬまま、さらに話を続ける女子達。
「もうさ、いっその事さ次の競技の時にやっちゃいなよ!」
我慢の限界を超えたふたりは、お灸を据えるべく声をかけた。
その声は実に冷ややかだ。
「ふーん。俺が一緒に出るのに何してくれるわけ?」
「そうだな、実に興味深い……。聞かせて貰おうか?」
その声に振り返った女子達は、自分たちの行いと愚かさを心底省みて、心の底から反省したのだという。
それを目撃していた複数の証人達は、とてもこわごわと目線を逸らしつつ言った。
「あのふたりの恋路を邪魔しては行けない!決して!あれが自身の身に降りかかるなど死んでもごめんだ!」
そう、周囲の意見は一致した。
イケメンと言うやつは怒らせると空恐ろしいのである……。



