なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!


午後の回も順調にスタートし、応援合戦。
部活対抗リレー、玉入れなどの競技を終えとうとう二人三脚の出番となった。

「咲ちゃん大丈夫?」

並んで準備をするここでも、心配そうに顔を覗き込まれて問うてくる谷村くんにニッコリ笑って答える。

「ほんとに大丈夫!むしろここで引いたら私の意地が泣く!」

そんな気迫満点の私にとうとう谷村くんは折れた。
私たちのやり取りを見ていたのは、あの事件の中での主犯格の後輩。
彼女も二人三脚に出るし、走る組は一緒。
練習の時点では私たちが勝っていた。
本番も負ける訳にはいかない。
変に負けず嫌いな私が出ていて、怪我の痛みなんてここでは薬と興奮もあいまって飛んでいる。

「絶対負けない!!」

私は実に気合いの入った一言で自身を鼓舞したのだった。

「咲ちゃん、意外と負けず嫌いだったんだね。うん、無理はさせないけど頑張ろうね」

そんな言葉をかけてくれた谷村くんに頷き返し、とうとう順番が回ってきてスタート位置に並んだ。

私のやる気に周りはビックリしつつも、応援の声が飛んできた。

「山野さん、谷村くん頑張れー」

その声を背に、スタートの合図と共に走り出した。

練習の時よりも早く、かつ私がついていける限界の速さを出して谷村くんがリードして走る。