なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!


そんなこんなで、昼休憩を挟んでいる現在。
私は大人しく持ってきたサンドイッチを木陰で春子と一緒に食べている。
先生に貰って飲んだ痛み止めがやっと効いてきたので、少し体を休めつつの休憩時間である。

しかし、精神的には休まらなかった。
えぇ、ちっっともね……。

その原因は、私と春子の前に並んで座っている我がクラスのイケメンツートップのせいである。

「咲ちゃんのサンドイッチ美味しそうだね!」

弾んだ声は谷村くんで、その手には巨大なおにぎりがある。
サイズが人の顔レベルのおにぎりって、お昼の量として大丈夫か心配になる。
しかし、そんな私なりの心配をよそに谷村くんはぺろっとものの十分足らずでその巨大おにぎりを平らげていた。

高校生男子の胃袋はある意味無限で無敵なんだろう……。
兄、悟の昔の姿を思い出したりしつつも、実に羨ましい限りであると思った。

そんなことを思いつつ、私はやっと二切れ目のサンドイッチに手を伸ばす。

すると、反対側の里田くんと谷村くんは目配せし合うと言った。

「咲ちゃんはご飯ゆっくり食べる派なんだね」

「まあ、そんな感じ」

などなど会話しつつ昼休憩を終えて、応援団付近から離れないでねと言われた私はのんびり出る競技まで休むことにした。

まさか、私の様子からふたりが先程の後輩にブリザード浴びせに行ったとは気づかなかった。