「それで、山野は午後の競技出るの?」
そんな里田くんの問いに答えつつ、ニッコリ笑った。
「もちろん出るわよ。だってここはコテンパンにのさなきゃでしょ」
そういった私に、里田くんは少し驚いた顔をした。
「あんまりそういうの受けて立つタイプじゃないと思ってた。けっこうタフなんだな」
そんな言葉に、私はクスリと笑いつつ言った。
「人間だからね。好みに合う合わないがそりゃあ、あるでしょう?私、今回みたいなタイプが腹立つのよ」
私の好戦的な表情を見て、春子はやる気を悟って呟いた。
「あーぁ。普段温厚な人ほどキレたら怖いっていう学習になるでしょうね……」
こら、春子さん。地味に顔を背けながら言うのやめなさい。
私がキレたらおっかない人みたいではないか。
まぁ、今回はそこまでじゃないけど……。
キレてはいないし、まだ冷静だもの。
春子の言葉にキョトンとする里田くんと谷村くん。
普段はわりと過激で毒舌な春子のフォローに回ることが多い私だが、そこはほら、ね……。
私と春子は類友ってやつなので……。
春子はサクッと言った。
「普段は咲が私のフォローに回るから、みんな気づいてないけれど。この子の方が結構鋭く毒舌だからね?」
まぁ、状況次第で私もそこそこのことは言いますよ。
人間だもの。
なんかどっかで聞いたフレーズだが、いいだろう。



