勝負が終わり自分の陣地に戻ると隣に駆け寄ってきた春子がびっくりした顔で聞いてきた。
「咲、あんたいつからそんなに足が早くなったのよ?」
そんな親友の問いに、私自身も驚きつつ答えた。
「それが今走ってみて、一気に走りやすくなってて驚いたんだよね……。二人三脚の練習の成果じゃないかと……」
私の返事に春子は少し考えたあとに、一つうなずくと言った。
「確かに、運動苦手だった咲がこんなに早くなったのはそういった練習のおかげかもね」
そう、ここの所はずっと谷村くんに引っ張られる感じでかなりの速さで日々走る練習に明け暮れていた。
それもこれも、コンパスの差と速度の差が激しく二人三脚がとても大変だったのだ。
初めて足に紐を結んで走った時は散々だった。
谷村くんの速さを殺すような走りしか出来ない。
そんな自分にかなり自己嫌悪することになったからだ。
なので、その後は運動嫌いの私がかなり積極的に練習を頑張ったのだ。
おかげで二人三脚はかなりいい形になってると思う。
そんな競技の前にこの女子の棒引きがあり走ってみて自分の驚くべき変化に気づいたというわけだった。
まさか、二人三脚の紐なし、一人で走ることでこんなに変わるとは思わなかった。
そうして、自身の先程の動きを振り返ってるうちに赤対黄の対戦が終わった。
次は白と赤、その後青と黄で対戦だ。
総当たり戦で結果が出るのだ。



