知的クールタイプな里田くんだけど、中学までは陸上部で短距離の選手だったとか。
去年から二期連続で生徒会に入っているので部活は辞めてしまったんだとか……。
そんなわけで、現役ではないもののエスカレーター組では里田くんが足が早いのは周知の事実なので今回もクラス一致で里田くんにこの短距離走に出てもらうことになったのだった。
始まって、どの選手も早く応援する方も熱狂してくる。
そんな会場のなかで、最終組が出てくる。
そこに並ぶのは生徒会コンビ。
会長と副会長の二人が並んで立っているのだ。
「なんだこのタイプ別で並べました、各種イケメンです!って顔面偏差値は」
ぼそっと呟いた言葉は隣の春子にしか聞こえなかったようだが、その春子は私の言葉がツボに入ったらしくお腹抱えて笑いつつ言った。
「ほんと、咲の感性は面白いね。見ても聞いても飽きないとか、ほんと咲は最高だよ」
お腹抱えつつ笑いながら言われると、それは褒めてるとはいえない……。
「どうせ、ちょっとおかしな思考回路ですよ!」
ぶすっと返した頃、最終組のスタートが切られた。
わずか百メートルを、グングン加速して走っていく里田くんのフォームは綺麗そのもの。
この勝負は、ぶっちぎりで里田くんが勝った。
会長はちょっと悔しそう。
走り終わったふたりは、息も切れることなく余裕で語らっていた。



