体育祭当日。
五月の下旬。
天気は快晴。
しかも、かなりの気温になった。
初夏のような暑さの中の体育祭がスタートを切ったのだった。
まずは、開会式。
そこで開花式の宣言は俺様生徒会長の有川翔悟。
「さ、みんな死ぬ気で勝ち抜けよ。優勝したチームには金一封だ!中身は一週間の学食半額チケットだ」
その言葉に食べ盛りの男子諸君が目の色を変えた。
一気に会場の運動上のボルテージが上昇したのを肌に感じる。
なんでいう準備をしてくれるんだ。
各競技、男子は超やる気に充ちているよ……。
そこかしこから、チケットゲット!の雄叫びがする。
私の憂鬱具合に拍車がかかった……。
この、有川学園はその名の通り生徒会長の親族が経営している私学でありそこそこ有名。
幼稚舎から大学までエスカレーターである、巨大な学園である。
つまり、私たちの代の生徒会長は正しくここでは俺様で君臨出来る御曹司というわけ。
たしか学園長は祖父、理事長は父。
そんな家系の生徒会長は俺様だけど、カリスマ性のある人物で優秀。
有川学園は将来安泰と言われている。
私は高校から入学の一般生。
ただし入試でそこそこの成績だったことから、半額の学費免除を受ける特待生だった。
なので、その維持のためそこそこ勉強は頑張ってきたのだ。



