「そっか、咲ちゃん今日当たるのか!確認しとく?」

ニコニコと言ってきたのは谷村くん。

実は彼、昨日まで遊んでる風だったが勉強出来るタイプ男子。
常に学年十位以内をキープしてきたのだ。

なんなの、イケメンは勉強もスポーツも両方出来るとかさ……。
少女漫画じゃあるまいし、なんなのこの高スペックは!
しかも、そんなふたりがなんで平凡な私に声掛けてくるかな……。

教室内でも、ふたりに話しかけられる私はもう注目の的である。
女子の視線痛いのなんのって……。

「大丈夫、見直しは春子とするから!」

そういうなり私は春子の席へと逃げた。
もう無理、耐えらんない。

私はごくごく普通の女子高生なの!
勉強だって普通レベルなの!
なんで、あんなみんなに人気な男子に囲まれなきゃいけないの……。

そんなの望んでないし、それを喜べる神経も女子力も無いの!

春子にくっついてブチブチ小声で文句を言ってたら、春子が笑いながら言った。

「天然、無自覚美人って凄いなー」

そんな春子の言葉にクラスメイト数人がうなずいていたのだけれど、春子にガッツリくっついていた私には見えなくて気付かなかった。

もちろん、谷村くんと里田くんも。

「なんで、あんなに綺麗なのに本人に自覚ないの?」

「高嶺の花過ぎて誰もアタックして来なかったのと、アタックしても天然スルーしてたからじゃないのか?」

男子ふたりはそんな分析会話をしていたがそれも、耳には入らなかった……。