お兄ちゃんの言葉に憂鬱になりながら迎えた水曜日。

本日も晴天なり。

今日を無事に超えれば、みんなが大好き大型連休スタートである。

そうすればしばらく学校はお休み。
二人にも会わなくて済む。
絶好のお休み期間だ。
これば、好きな可愛いものと、大好きな本を読み返して英気を養うしかない!

そう、休み期間の過ごし方を考えることで自分を誤魔化しつつ教室まで無事にたどり着いた。

しかし、驚くなかれ。

昨日の今日で、彼らは休み無く仕掛けてきた。

そう、彼らにとっても明日からの休暇は死活問題なわけで。
何もせぬまま突入するわけが無いのである。

私に逃げ道は……。

お察し頂きたい……。

こうして逃げ場のない教室で、彼らは行動に移してきたのだった。

「咲ちゃん!おはよう」

そう挨拶してきたのは、昨日まで明るい茶髪で軽いうウェーブのかかった長い髪だった谷村くんが。
短髪、黒髪のちょっと大人な落ち着いた雰囲気になっていた。

あまりの激変に私は二度見してしまった。
声は変わらないから分かるものの、このままでは学内大変なことになるのではという危惧……。

だって、落ち着いた彼は元が良いのもあってすっかり爽やか系イケメンに変身していたのだから。